生活とデザインのかかわり合いは、特別意識することなく、自然な形で日々の生活にとけ込んで来たように思われます。この浸透の状態が“生活即デザイン”を実感としてとらえることができるのでしょう。

しかし、現実に私たちをとりまくデザイン事情は必ずしも正しい状況にあると判断することができるでしょうか。

特にデザインにたずさわる人々が現状を是認しているとは思われません。

日本の繁栄はこの雑然たる、すべてをのみ込んだエネルギーの中から生まれたという論評もありますが、個人をとりまく環境に対する総合性を秩序あるものとするのは、個人的にも社会的にも正しい方向づけが必要であると考えます。

デザインは、“調和の世界”であるとの定義も時代を超えた一つの真実であると思われますが、欧米に見られる優れた調和の世界にふれますと、経済優先の日本の現状と基本的なデザイン志向の違いを感じるのです。要は人間尊重の精神のあり方にあるのでしょう。

私たちは今、広く世界に眼を向けると共に日本の現状を正しく直視する必要がありますが、先ずもって私たちの住む北海道という地域に根ざしたデザインが如何にあるべきか、又如何に育てるかを、身近なところから考えなければならない時期に来ていると思われます。

さて、私たちは個人、周辺、地域のデザインがよりよくありたいとの念願から、これを結集して大きな力とするため本会が創立されたのであります。自己を高めると共に社会一般に対しての啓蒙、広くは大衆へのデザイン理解活動を行い、これらの行動を通して北海道のデザイン向上を図るデザイン推進のための 文化運動なのであります。このことが同時に地域産業の振興にも役立つものとの認識にも立っています。この目的達成のための諸事業を活発に行い積極的に行動する会でありたいと思います。

会員組織は個人としての参加であって、既にある組織の結合体ではありません。会員はデザイナー、デザイン教育者、評論家を主体としたすべてのデザイン分野から参加してのデザイン文化活動団体であります。 北海道のデザインをよりよくするという一点の主張に共鳴する人々の結合であることに多くの方々の御理解を求めようとするものであります。

<めざすこと>

1.北を座標軸に、新しいデザインを創造する。

2.国際的視野に立ち、グローバルなデザイン活動を推進する。

3.社会の基幹要素としてのデザインを確立し、次の世代に伝えていく。